◆コラム 日本人の働き方は異常? 海外と日本の働き方の違いや特徴を解説

2019年07月22日

◆おかしい? よく言われる「日本人は働きすぎ!」は本当か
日本人は真面目で勤勉な民族。それはおそらく間違いないかと思われます。
その生真面目な姿勢は諸外国から度々賞賛されるものではありますが、一方で「日本人は働きすぎだ」と時に批判の対象となることも。
では実際のところ、日本に住んでいる日本人は働きすぎているのでしょうか?

「日本人は働きすぎ」――それが事実かどうかは、今からご紹介するあるひとつのデータが物語っているかもしれません。
そのデータとは旅行サイト「エクスペディア」が毎年発表している【世界19ヶ国 有給休暇・国際比較調査2018】というもの。
これによると、日本の有休取得率、有休取得日数は共に世界19か国で最下位!
特に有給取得率の世界最下位は、なんと3年連続となってしまっているんです。日本人としてはなんとも不名誉なところではありますが、これでは世界から「日本人は働きすぎ」と言われたところで致し方ないのかもしれませんね。
「エクスペディア」の調査結果によると、日本人は1年間でたった10日しか有給休暇を取得していません。
では気になる諸外国はどうかというと……たとえばフランス、スペイン、ドイツ、ブラジルは年間30日支給される有給休暇を、きっちり30日取得。
ヨーロッパ諸国は有休取得日数、有休取得率が高い傾向にあると言えるでしょう。
外国、とくにヨーロッパ系の人は「バカンスのために働いている」という考え方もあるようですが、日本にそんな意識が芽生えるのはいつのことやら……。

◆なぜ日本人は有給を取らない?日本と海外、考え方、働き方の違い
きちんと定められた有給休暇というものがありながら、なぜ日本人はそれを積極的に取得しないのか。
その理由の主なものは「罪悪感」。
同じ会社の社員が一生懸命働いているときに、自分だけ休みを取りたいだなんて悪くて言い出せない、との思いから有給を申請できない人が多いよう。
日本人は「みんな同じ」であることを特に好む民族。
ですから、長年積み重ねってきた「有給を取ることは悪」という働き方や雰囲気を壊してまで、「私、有給で会社休みます」とはなかなか言い出せないのです。
同じ会社の人や取引先に「真面目に仕事をしていない」「サボっている」という印象は極力与えたくない。それが、悲しいかな今の日本の働き方の現実だと言えるでしょう。
また、そのほかに慢性的な人手不足も影響していますし、有給は「いざという時のために取っておきたい」という日本人独特の考え方もあるようですね。
日本以外の国で言うと、韓国でも同じように有給取得率が低く(上記にあげたサイトの調査では、調査対象国の中で最下位となっている)、その理由も「罪悪感」と日本と似たり寄ったりのところがあるようです。

では、中国はどうか?
上記の「日本の有給消取得率が最低」というニュースは中国でも配信されたらしく、その際中国では「罪悪感を持つなんて信じられない」「日本人はどれだけ働くつもりなのか」などの声がネット上に寄せられたといいます。どうやら中国人と日本人では、有給休暇については少し考え方が違うようですね。
日本には我慢や苦労は美徳という精神が、はるか昔から根付いています。それは日常生活でも、勤務する会社での働き方でも同じこと。
我慢や苦労を重ねてこそ一人前の人間になれる、というのが、日本人独特の考え方なんですね。
でも、たしかにそれは一理あるかなとは思います。苦労や我慢をまったく知らないと、視野が狭くなり、人の気持ちや痛み、辛さを理解できない人間になってしまう可能性も。
ただ、その日本人独特の気質や風潮と、過度な残業や有給休暇を取得できないこととは話は別と思わねばなりません。
有給休暇の取得は働く者の当然の権利。今後の日本は義務化も始まり、これまでよりはかなり取りやすい状況になるのではないかと希望を抱く人は増えているようです。
一方、海外、特にヨーロッパでは私生活を大事にする風潮が根付いています。
日本のように「会社命」という生き方をする人は少ないよう。
国によって、有給休暇とは別に病気になった場合の休暇を定めているところもあるようですから、そうなると日本のように「有給は病気になったときのために、とっておかないと」という考えはしなくてすみます。日本人としては、それはうらやましい限り!
また、スペインやフランスなどは労働者の権利が非常に強いため、定時で帰ることやロングバケーションを取ることは当たり前、という習慣になっているよう。
ヨーロッパは仕事より家族との時間を大切にする、という考え方が主流。対して、日本はなにより仕事優先。日本のこの考え方が「有給休暇は取らない」「残業当たり前」という悪しき習慣を作ってきてしまったのだと思われます。

◆日本と海外 企業の働き方の違いはどんなところにある? 特徴は?

この何年かでかなり崩れてきたとはいえ、日本はまだまだ<終身雇用制度>が根強い国ではあります。
一度企業に入社したなら、転職せずに同じ会社で長く働く。
そうすると、勤続年数に合わせて役職があがっていき、役職もあがると給料も上がる。
勤続年数さえ長ければ、仕事があまりできない人であっても、たいてい「課長」あたりまでは昇進できる。だから、一度入社したなら、とにかく辞めずに長く勤務しないともったいない――多くの日本人がそんなイメージを持っていた時代があまりに長く続いていましたし、それこそが日本の働き方の特徴とも言えるでしょう。
では、外国の働き方はどうでしょうか?
海外では、日本のように勤続年数と共に給料がアップするということはないことが多いようです。
年収アップが期待できるのは、インセンティブ(成果報酬)でしょうか。
同じ企業に長くいても給与アップは見込めないので、外国ではより良い給料と待遇を求めて繰り返し転職する人が多いみたいですね。

また、海外の人が日本で働いてみて、まず驚くのが<飲み会の多さ>。
日本では<新人歓迎会><送別会><花見><納涼会><忘年会><新年会>などなど、とにかくなにかにつけて会社主催の飲み会が多いのが特徴です。
外国人の方は、日本で働き始めると、おそらくこの風習にびっくりしてしまうかも。
海外でも、会社が主催する<飲みの場>はありますが、オフィス内での開催が主で、せいぜい飲んでも2、3杯のようですね。
しょっちゅう開催される日本の会社での飲み会。
もちろんこれらの飲み会は強制ではありませんが、「会社の飲み会は仕事のうち」ととらえて、プライベートを割いてでも参加する社員も多いよう。
おそらく、日本で働く外国人の方は、最初は戸惑ってしまうことが多いのではないでしょうか。

また、ヨーロッパでは、残業が多い人は「仕事ができない人」として認識されているようですが、日本では真逆。
たくさん残業する人=仕事熱心な人、会社に対して忠実な人、として評価される傾向にあります。
この風潮も、おそらく外国人の人にとっては戸惑ってしまうところかもしれませんね。
と、これまで海外と比べて「おかしい」と言われる日本の働き方ばかりを書いてきましたが、もちろん日本には日本ならではの良い点もたくさんあります。
たとえば、時間に正確、勤勉で真面目である、協調性があるなどなど……。
新入社員や中途社員が入社した際は、実務につく前に丁寧に仕事の説明をする時間を取る、という習慣も海外ではあまり見られないもののようです。
日本ならではの丁寧な心遣いと言えるでしょう。

◆今後の日本と日本人の働き方はどう変わっていくのだろうか
「休むことは悪」というムードが社会全体に漂っている日本社会。
ただ、うつ病や自殺者、過労死の増加などの社会問題がクローズアップされ、日本政府も働き方を変えることに本腰を入れるようになりました。いわゆる<働き方改革>です。
有給休暇の取得については、すべての会社で、年間の有給休暇消化日数が5日未満の従業員については、会社が有給休暇を取得するべき日を指定することが義務付けられました。施工は2019年4月からとなっています。
この<働き方改革>で日本の悪しき習慣はほんとうに変わっていくのかどうか。それを見極めるには、まだ少し時間がかかりそうです。
以上、日本と海外の働き方、主に<休みに対する考え方>について書きましたが、いかがでしたか?
たしかに日本は休暇を申請しにくい雰囲気があり、諸外国と比べると「働きすぎ」であることは否めませんが、今後改善されることが期待されています。
ただ「勤勉」で「真面目」、さらに言うと「時間厳守」な働き方が変わることはないと思うので、日本で働きたいと思う外国人の方にはそこは理解するようにしていただきたいものです。

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